ハプニングだらけ、成長をさせてくれたアメリカという国 vol.21

語学留学、大学、グリーンカード、ピアノ、仕事の20年(インディアナ大学編)

こんにちは。Ichikawa Piano Schoolの福山です。過去に一回だけなぜこのお話をしているのかの理由(ピアノをやっていて良い事が沢山あった)をここで書いたと思うのですが、渡米をして以来沢山の事がありました。英語を恥ずかしがりながら喋っても簡単に友達から発音の間違いを指摘される、鼻で笑われる、何言ってるか分からない(私の英語の発音が悪い為)と大声で言われる、アメリカ人とのグループワークでは私はいない事になっているし(英語が喋れなく発言が出来ないから)、朝の4時から夕方6時までずっと英語のテキストブックと日本語の教科書の勉強づくし、気分が悪くなって緊張のあまりお腹が痛くなって一日に何度トイレに駆け込んだことか、食事をとる時間もなく勉強していたら皮膚がペロっと大量に剥けてただれた事もあるし、救急に行って胃カメラを飲んで大金を払った事とか。英語が分からない、でも日本には戻れない、皆からバカにされるし、ピアノも思うように弾けない、どうしようもないやり場のない、くやしい感情でシャワーの中で大泣きする事も毎日のようにありました。日本にいる両親も私の絶大極限の苦痛を心配をし、成田空港まで本気で行きかけた事もあるとの事。。。でもそんな事がありながらも逃げることなく、そしてただ普通のこんな私がピアノ勉強の事だけを心から願い続け、願い続け、努力をし、自分の努力の限界を無理やり広げた事によってやっと1つ良い事はありました。来る日も来る日も望んでいる事を見つめ続け努力をし、そして又最大の努力をし自分を本気で追い詰める。。。そうするとやっと欲しいものが手に入る、と自分に証明できた気がします。

インディアナ大学大学院のオーディションの日。インディアナの冬は大量に雪が降るし何しろ寒い。最高気温は毎日0度以下。最低気温なんてマイナス10度くらいになる事は毎日です。オーディションの日、雪が朝から降ってました。あたり一面真っ白。朝起きた時はそれ程緊張もなくいつも通りにニャン太郎とココちゃんの食事の用意。その後で自分の朝食。大学の練習室が混むことは知っているので朝食も直ぐに終わらせ、オーディションで教授たちに悪い印象を与えないような洋服を選び、スノーブーツ、分厚いコート、分厚い手袋、柄の長いほうきと自分のバックを持って出発です。ニャン太郎とココちゃんに’行ってくるね!’と言いながらも心の中では外出する時はいつも’彼らたちを路頭に迷わせるわけにはいかない、何としても自分でやっていかないと。。。’と心に誓っていました。その日もいつもと同じように誓いながら自分の車に大量に積もっている雪を柄の長いほうきでザブザブ落とし、車のドアも凍り付いているので取っ手が壊れないようミシミシ言わせながら開けてエンジンをかけながら残りの雪をはらう。。。やっと準備が出来て道路の雪がすごい事になっているのでソロソロと車を走らせ学校にやっと到着。。。

音楽学部の周りはオーディションの雰囲気たっぷりでいつも目にする光景とは全く違うもので、皆インディアナ大学に入りたくやる気満々です。皆、この大学に入る為に選ばれたいという強い気持ちがヒシヒシと伝わってきます。幸いにも練習室はまだ少し空いていました。オーディションの時間まで部屋に籠っているだろうと思ったので自分の荷物を広げ、誰もこの部屋を使ってくれるな雰囲気を出して早速練習開始。オーディションの前に疲れすぎてもなのであまりガリガリ練習はせず、いざオーディションの時間が来ました。指定された部屋に行き教授たちは5,6人目の前にいて自分の名前と弾く曲名を言ってから演奏開始。舞台ではなく知らない教授の部屋での演奏だったのでなぜかあまり緊張をすることなく、そして間違いもなく終了。。。あー終わった、なんかあっという間だったなあ。。。。。。。。。。。。。。

その後は近くのオリエンタルストアに行って自分へのご褒美に日本のビールを買って家に帰り1人パーティースタート(+ニャン太郎とココちゃんも参加)。その日は何もピアノの事は考えず、次の日からまた仕事8時間の日々。家に帰って練習は取り合えず中止。そんな毎日を1週間くらい続けた後のある日、学校から手紙が来ました。大きな封筒に入った手紙で、なんだ?と思いながら中をドキドキ開けてみるとオーディションの結果でした。結果は合格。奨学金(返さなくても良いもの)が出て授業料全額免除。そして無料健康保険も付いてきました。

生きていて良かった、本当に良かった。。。。。。。。。。。。。。。。。。

玲子先生に電話をしオーディションの結果を伝え(先生は既に知っていたようでした。)これから練習をする曲を決め、学校が始まるまで又レッスンを開始したい旨も伝え、人生の一大イベントは無事終了しました。

さあこれから練習をがんばるぞ~!!!ピアノの勉強へやる気満々です。退屈な毎日の8時間の仕事も苦ではなくなり毎日練習に励んでいました。でもオーディションの結果が送られてきた中身をよくよく読んでみると学校が始まる前にどうやら音楽理論、音楽史、そしてピアノと歌の試験があるとの事。絶対やりたくないとは思っても避けて通れない事です。学校が始まってないのに又勉強か、嫌だなとは思っていましたがしょうがない。早速週末は大学の音楽図書館に行って(インディアナ大学の音楽図書館は全米で一番大きな音楽図書館だそうです。)音楽の理論と歴史の勉強を始めました。図書館の中には学部の生徒が沢山いて、’あ~私ももう少ししたら彼ら達と同じように音楽学部の生徒になれるんだ’と思うと勉強も苦痛ではなくなりました。

しかしこのテストに向けての勉強ですが今から思うと勉強の仕方が全く分かっていなかったのでしょう。そしてアーカンソーの大学で習った音楽理論と歴史のレベルはとても簡単で浅はかなものだったようで私の音楽全般のレベルはインディアナ大学の学生になるには程遠いものでした。なので入学してから非常に非常に大変な事に!!! 次回のお話でこのテストや新しい大学生活のお話をしようと思います。今の季節のインディアナは北海道の北部くらいの気温だと思います。雪も断続的に降り続け辺り一面は白い世界。雪の降り始めは綺麗で感動しますが、それが3か月も続くとうんざりです。日本もこれからまだ寒い日々が続きそうですね。健康でこの冬を乗り切りたいものです。では次回のお話でお会いしましょう!See you next time !