東菅野 Ichikawa Piano School Youtubeビデオ vol.4

ラフマニノフ プレリュード Op 23 No 4 創造力の探求

こんにちは。ピアニストの福山です。本日はYoutubeビデオで演奏をしましたラフマニノフのプレリュード Op23 No4についてお話をしようと思います。

ラフマニノフは1873年生まれのロシア人作曲家です。彼の有名な曲はもちろんピアノコンチェルト2番や3番で非常に美しい曲です。クラシック音楽に馴染みのない方でもとても聞きやすく彼の曲を感じ取れると思います。このプレリュードを選び練習をしているうちに(どんな曲でもなのですが)壁にあたります。ピアニストはピアノを弾けるところまでは問題ないのですがその先が重要なところで’音楽性’をより高めるが為に悩み始めます。この曲も同じように既に弾ける段階になった時につまらなくなってきます。自分の創造力を追求していないからですね。創造力を追求するためには独りになってより弾き込まないと見えるはずのもの感じられるはずのものが分かりません。ラフマニノフも言っているように’創作のためには独りきりで常に自分自身と向き合っていなければならない’と言葉を残しています。

この曲を作った時のラフマニノフの考えと同調するように練習する事によって質問が出始めます、’なぜここに休符があるのか、なぜここはこの和音を選んでいるのか、どうしてここにこの強弱のマークがあるのか’などです。そうこうしている内に楽譜の向こう側にあるラフマニノフの音楽の世界を垣間見る事が出来始めます。そのキッカケを掴むと徐々に曲を理解し始め自分の音楽を弾き始められます、やっと。。。

このプレリュードを弾いていて始めの辺りは思春期のようなとても初々しい感情、ほんのりするような気持ちがあり、そこから混乱の悩みの場面がありそれでも確信たるものを発散する素晴らしい時や感情があり、最後はフッとそんな事があったのかと昔を思い出しているかのように時を顧みていた自分に気がついた短い休符があったり心穏やかに曲/思い出や記憶の回想が終る。。。そんなように曲に感じ取れるようになりました。これは私の想像の世界が作り上げたもので正解や間違いはなく他の人の想像は私のものと全く違うものかもしれません。しかしラフマニノフの曲が見えてきて想像が膨らみ彼の世界を見ることが出来るこの練習?作業?によって彼の精神世界を見る事が出来とても素晴らしい時間でした。時代や国、国籍や習慣は全く違う人間でも今のこの瞬間にラフマニノフの想いを再現することが出来る。。。だから私たちピアニストは色々な作曲家の曲を弾き続けるのかも知れませんね。

皆様はこの曲を聞いた時にどのような想像をされますでしょうか...

是非お聞きください。