分かりやすいピアノレッスン

ピアノレッスンでの言葉

こんにちは、Ichikawa Piano Schoolの福山です。アメリカでの大学生の頃からアメリカ人の子供にピアノは教えていたし、私も色々な先生とピアノの勉強をしてきました。そこで思う事があります、教える時(教わる時に思う)の言葉。。。

ピアノを習うって一見、簡単な事のようで実はかなり複雑な事をしています。だから小さい頃から始めないと体になじまないと言われています。習い始めてからしばらくしてもお子様はピアノの音符が読めない。そんな事ありませんか?そうなるとあまり効果的なピアノレッスンではなさそうです。

小さなお子様はピアノレッスンの時に色々な事を感じ取っています、知らないところだなあ、居心地が悪いな、この先生じぶんのお母さんと違う、ソワソワし始めたりして。そうなるとあまりピアノのレッスンに集中できないですよね。色々な先生がいます、小さなお子さんに教える時に沢山の言葉で説明したり、やんわり伝えるあまり、ハッキリとココはコウと言わなかったり。沢山しゃべって説明をしてしまうと、お子様の頭は混乱してしまいます。そしてやんわり伝えると大人だって分かりません。複雑なピアノだからこそ、こうなったら、これね、とそれだけでいいと思います。その事の繋がりで徐々に音符が読める、リズムが分かるようになる、そしてレッスンの後、ご自宅でご両親が見守る中、レッスンでの復習をし(スケジュールを決めて練習を習慣化するところがポイントです。)、徐々に自分で弾けるようになる。。。

少し大きくなった生徒さん/ 大人の初心者の方にはどのように音符が並んでいるのかの説明をします。同じ音符が並んでるのか、隣に1つ上がっただけなのか、それとも音符を1つ飛ばしているのかなどです。習いたての頃は1つずつの音符を目で追っていますが、音符が読めるようになると1小節にある音符がどのように並んでいるのか、大きな図として見る事を伝えます、もちろん単純な言葉で。そのうちそれが両手でも出来るようになるともっとピアノが楽しくなってきます。

もう少し弾けるようになると今度は’強弱’に注目をし始めます。強弱は’フォルテ’は強い、’ピアノ’は弱いという事は少しだけお話をするのですが、その練習している曲の雰囲気に適している’フォルテ’や’ピアノ’を個人の想像をもとに説明をします、大きくゆったりとした感じのフォルテにしたい場合は大草原をイメージしたり、悲し気な曲にピアノがあったら薄暗い森の中にポツンと1人でいるところを想像してみたり。

ベートーベン、モーツアルト、ショパンなどを弾ける方には今まで考えてこなかった体の使いかた、直ぐにリラックスが感じられるように私自身が感じた自分の体の感覚を的確に伝えます、背中の緊張を下に下げるとか。そして休符の大切さ、例えば’ハッと息を飲むような休符’とか’全ての物事が止まったような休符’とか。ご自身の中に存在している想像力を引き出せるよう促します。

’ここの部分は少しゆらしたほうが良い’ や ’音色を変える’ などの説明は漠然とし過ぎて望んでいる音に近づくには少し弱い言葉の選択だと思っています。これは多分私が英語でピアノを学習し、英語で教えた経験からだと思っています。

英語って文章を書く時に的確な説明の仕方をしないと読んでもわからない。。。アーカンソー州の大学のクラスを受け始めた時にペーパーを書く事がありました。その都度ライティングセンターという所があって文法を直してくれ、ハッキリとアメリカ人から’ここが全く分からない、こういう場合はこの単語を使わないと分からない、辻褄が合ってないとわからない’と言われます。初めは話にもならないくらいの意味不明な文章、というのは日本語の伝え方で考えて英語に直しているのでアメリカ人のように英語の理解の仕方をしている人達には全てが曖昧過ぎるようでした。何度も何度も書き直して、やっと赤ペンでの添削が酷くないようだったらやっとペーパーを提出。それまでペーパーを書いて、ライティングセンターの予約を取って、見てもらって添削されて、家に帰ってまた書き直し。それを何回もこなします。それを何年も何年も続けていくと、いかに分かりやすく相手に物事を伝えられるかという方法が見えてきます。大学でのペーパーを書く事がピアノを教える時にも役に立ったとは思いもよりませんでした。

小さな生徒さんにも大人シニアの方にもピアノは苦痛なものではなく楽しいもので、一生の友達になって欲しいと思っています。時間を無駄にすることなく、誰でも楽しくピアノを練習したいですよね♪では次回のお話でお会いしましょう!