ショパン ノクターン Op62 No1

ショパンの最後のノクターン

こんにちは。Ichikawa Piano Schoolの福山です。今回はショパンが生前に作曲をした最後のノクターンを弾いてみました。

ショパンの恋人ジョルジュサンドとも別れ、そして健康も害していた頃に書かれたと言われているこのノクターン。。。今までショパンの曲は色々と練習をしてきましたが、あまり本人の心情は音に反映されていない作曲の仕方なのかなと思っていました。そんな中である日このノクターンに出会いました。初めて聞いた時には普段めったに感じないゾクッとする感覚があり、とても素晴らしい曲だと思いすぐに練習を始めました。

練習をし始めてから直ぐに’どうやらショパンが独り言を言っているような音の繋がりだなあ’と思い始め、後半部分にはショパンらしい格段に美しいスケールがあったり。。。

でも曲の解釈は’ショパンの独り言’だけでは終われない。もっと曲の深い所を探らないと。。。と思い始め、音をよく聞き時間を費やして練習をして見えてきたものは、’ショパンのは今までの自分の人生を振り返りながら作った曲なのでは?’と思い始めました。

不思議な?何かを予感させるような?不穏な?オープニングから、か細いメロディーがとても美しく、強く言っているところでも力なさげに主張をしているような、独り言のような、今にも息が絶えるようにか細く歌っているメロディーから、美しいトリルの連続もあり、最後は静かに、はかな気に、あたかも体調の良くないショパン自身が自分の死を悟りながら人生を振り返っているような、そんな気がしてきました。

クラシック音楽も、作曲家を全く身近に感じない今。でも私たちと同じ世界に存在していた人達で、同じ人間。でも極めて優れた音楽の才能を持っている人達。彼らの時代背景や生活状況、心情などを考えないではピアノ練習は出来ません。少しでもショパンの曲を身近に感じられたらと思っています。