子供の習い事と音楽の力

  子供の習い事 ピアノから始まる沢山の素晴らしい経験

こんにちは。ピアニストの福山です。今回はお子様の習い事を始める事についてお話をしてみようと思います。

私がピアノを始めたキッカケはよくある’姉がピアノを習っていたから’という事から始まりました。ピアノが何なのかも知らず親に連れて行かされた所でピアノを習い始め、興味があったのかなかったのかさえも分からずボーっとしながらも嫌いではないから5歳から続けて行ったというものでした。私はどちらかと言えば洗面器をひっくり返してはそれを舞台にして玩具のマイクを掴んで歌手になったつもりでよく歌を歌っていたのを覚えています。歌を歌う事は特に好きだったようです。

ピアノを習い始めて別に悪くもなく良くもなく。Struggleする事もなく先生から怒られることもなくと時は過ぎ。。。ある日先生が変わり、その先生は今までの先生とは少し違った教え方、選曲の仕方をした先生でした。先生は私に今までとは全く違った曲を私に与えてくれ新鮮な感覚があったのを覚えています。新しい曲を沢山練習するにつれ、ある日とても難しそうな曲が目の前に現れました。リストの’愛の夢’が小学生の私の前に現れ、そして先生は私の母に’もしかしたらピアノでのPotentialがあるかも’とのお話があったのを耳にしとても嬉しかったのを覚えています。

それから数年、私の生活の重要な事は勉強へと変わり高校受験があったりでピアノは自己流で続けていましたがPriorityでは全くありませんでした。周りの友達は大学へ進学したり留学をしたりする中で、留学への意識がかなり強くなり始めました。ただ英語は喋れた方が良いかなという簡単な理由で。20代前半で自分でお金を貯め留学資金を作り単独で渡米をし、アメリカの大学に通いますが、以前からのピアノのSkillがあった事によりアメリカでピアノを教える仕事や教会での伴奏の仕事、ピアノの奨学金を得るなどのOpportunitiesがありました。

私が家族友達もいなく言葉も分からずの20代前半に始まったUSA生活。一人でUSAで生きて行かなければいけませんでしたので、とにかく人と話をする、何かのキッカケを探す、Tryする、情報を得る、そこから物事をBestの状態で継続する事により’こんな事が世界ではあったのか’というOpportunityを得られるカギを作る事を知りました。その世界には自分よりずっと先を走っているSkillの高い、Senseの素晴らしい、AdjustmentとFlexibilityのある素晴らしい数々の友達、Indiana Universityで沢山の音楽の巨匠達から王道のクラシック音楽を習えた事、話が出来た事は歴史を見ているような瞬間でした。小さな時に何気なく始めたピアノがこのような素晴らしい経験に繋がるとは全く予想をしていませんでしたが、キッカケは自分の周りに沢山あり、とにかく行動する、外に出る、人と話す、興味があったら試すという事が重要かと思っています。小さなお子様は自分に何が向いているかはもちろん分かりません。たとえ何か好きな事があってやりたかったとしてもそれを’やりたいっ’と言うのか、その一言をご両親に言えるか、その言葉をご両親は真剣に取ってくれるのか、まず両親から’ダメだ’と言われて挫けてしまうかもしれません。最初からNOというより取り合えず始めてみるというだけでも良いのではないでしょうか。

ピアノは国語や算数のように重要ではないと思われる方が多いかと思います。しかし算数や英語だけを勉強していれば良いというものでもなく、本来の勉強とは全く違った空間/世界を知る、経験する事で子供や大人でさえも心のバランスが取れるのではないかと思います。子供の頃の私は何かイライラした時、良い事があった時、悲しい事があった時はなぜかピアノに向かい自分の感情を発散していたのを覚えています。子供でも学校以外、家以外の楽しい場所で学校では習わない勉強をし、そこで何かが出来るようになる、色々な経験をすることは心に良い事だと思います。そしてご両親の世界を見る見方とは又違った世界を見ている別の大人と接する事も視野が広がるのではないでしょうか。

心は一度歪んでしまうと中々治す事が難しいものです。子供たちの健全な心やこれからの人生へのHealthyな見かたや態度は私達周りの大人が作っていかなければならないと思っています。Healthyな人生へのAttitudeがあるからこそ、その先にある自分で選んだ人生の選択、プロへの道、その途中の究極の我慢、緊張感の連続に耐える、それに立ち向かう勇気と努力に繋がるのではと考えます。絶対に負けない折れない心はそう簡単には作れません。私も20年のUSA生活では緊張の連続、恐怖の中で生活をすることが殆どです。そのような事があってもピアノというプロの道を自分で選んだことは全く後悔していません。とても自分に貴重な経験をしたと思っていますし、そのような事がありながらも何度でもチャレンジしたいと思っています。ピアノや習い事は重要じゃないかもしれない、けれどもそこから始まる物事はどうなるかは誰にも分からない、人間の可能性はどこに潜んでいるかは始めてみないと分からないものです。このIchikawa Piano Schoolでは日本とアメリカ文化が混じったピアノ教育と空間時間を皆様と共有しています。少しでもご興味のある方はピアノを試してみては如何でしょうか。