限られている人生/Dare to Let Go
子供の頃の記憶からの大切な思い出
こんにちは。Ichikawa Piano Schoolの福山です。ほんの4日前にピアノ演奏会を終えました。毎回お忙しい中いらっしゃいました方々に深くお礼を申し上げると共に、音楽の世界の素晴らしさを知って頂けたらと思い、曲選びから練習、トークなどを考え演奏会を開催しています。
演奏会をする前に色々とありました。突然ですが私はあまり’死’というものに遭遇した事はありません。アメリカ20年でも身近な人が亡くなったという事はありませんでした。アメリカ生活20年目、年月が経ち、そろそろ自分の猫Nちゃんが。。。という事もあり帰国を決断しました。Nちゃんには沢山の人に囲まれて虹の橋を渡って欲しい、アメリカに居たら仕事ばかりしている私はNちゃんに何かあっても一緒にいてあげられない、猫とは言ってもアメリカで1人でいた私にとっては唯一の家族でしたので帰国をする大きな理由にもなりました。そして2017年に私の腕の中で虹の橋を渡り、今頃はお友達を作って楽しくしてるんだろうなあと思っています。
Nちゃんが虹の橋を渡った後には近くに住んでいた叔母も亡くなり、と人生初めて’死’を2回経験しました。その叔母はとても可愛い声でいつも私に話しかけてくれ、私が小さい時には’電車が危ないっ!’と私の腕をつかんでくれて守ってくれた、という記憶もあります。(叔母は忘れているかもしれないけど)私が帰国をするたびに家に立ち寄ってくれ、笑い話を沢山して楽しい時間を過ごしました。その叔母は若くして亡くなり、今でも信じられない、今にも彼女の声が聞こえてきそう。。。そんな中4月の初め頃に家族から連絡がありました。私の横浜に住んでいるもう一人の叔母が亡くなったとの事。遠方なので葬儀には参列できなかったのですが、白いバラの花束を従妹に送りました、叔母さんの為にと。。。’死’を聞くたびに胃がキュッと絞めつけられる感覚があります。
横浜の叔母は私たち姉妹従妹が小さい時に泊まりに行っては、沢山の美味しいものを作ってくれて中華街での食事も楽しませてくれ、お裁縫が好きな叔母は帰り際に、今まで見た事のないとても素敵な生地を私たち姉妹に買ってくれ’お母さんに作ってもらってね’と渡してくれたのを覚えています。
本当に小さい頃の記憶や経験は大切なものだなと実感するとともに、私も生徒さん達には音楽を通して何かスペシャルなものを感じて欲しいと思っています。日本ではピアノの先生は演奏をしないのが普通?のようで、私はいつも自分の先生には演奏をして欲しいと思っていました。頑張っている先生を見てみたい。。。そして先生となった今は何か私のピアノから特別なものを感じ取ってほしいと思っています。
インディアナ大学院ピアノ演奏で卒業し、ピアニストにしてくれた玲子先生、心から感謝するとともに、この音楽の素晴らしさを伝えていかないとという気持ちもあり演奏会をしています。玲子先生のお陰で音楽の世界をなんとか見ることが出来た、なんとも言えない素晴らしくゾクゾクする経験です。
大学院では狂気と美の音楽の世界に入り込み、ピアノの練習をこれでもかとし続けた結果、やっと見えた世界。あの時の酷く辛い時間があったからこそ今私から伝えるものがある事は嬉しい限りです。私の叔母たちが記憶に残る素敵な時間を私に残してくれたように、生徒さん達にはピアノの練習や演奏会/発表会が良い経験、なんだか良かったなあと言われるようにしたいと願っています。
演奏会にお越し頂きました皆様、有難うございました。次回の演奏会へもお気軽にお越しください。お待ちしております。。。