ハプニングだらけ、成長をさせてくれたアメリカという国 vol.34
語学留学、大学、グリーンカード、ピアノ、仕事の20年(インディアナポリス編)
こんにちは。Ichikawa Piano Schoolの福山です。やっと涼しくなって一安心で、家に来る黒白ネコちゃん🐱の’キャプテン、チー(いろいろと名前が変わっています。本人は何のことやら。)も喜んでいるはず。。。
さて、インディアナポリス。。。あのようなdevastated areaというか、非常な貧困と富裕層を現実に見させられる場所。。。外に住んで家のない人達は本当にボロボロ、食料に困っている人のための施設があり、毎日ある時間(食料配給)になると行列。。。職がない私はその列の中にいつか入るのか、路上に住む事になるのか。。。
でも自分がそのような光景を毎日目にしながら住むとは思っていませんでした。あまりにもインディアナポリスの生活は過酷で話をしたくなかった、それでBlogを更新できないというのもありました。
ところでそのような場所での職探し。。。アメリカでは職を探すのに年齢、性別、国籍、肌の色、は’全く’関係ありません。それでも仕事が見つからない。
インディアナ大学ブルーミントン校は音楽を高レベルで勉強するにはこれ以上なく素晴らしい場所。大学院を卒業したばかり、インディアナ大学と同じ州のインディアナポリスだからピアノでの職はあるだろうと思っていたらNONONO、大変な間違いです。まだまだインディアナポリスの現実の状況は全く感じ取れていません。職はあるだろう、そんな希望は微塵にも簡単にくずれました。現実は全く逆、酷すぎる。。。
とにかく無職でする事がないので、自分のウェブサイトをインディアナポリス用に作ったり、’私はピアノを教えています!’というチラシをあらゆる楽器屋さんに置いてもらったり、教会に礼拝の伴奏をしますと応募したり。とにかく怪しくないピアノ講師の仕事の募集を見つけたら即応募→返答なし/即却下✖、いくら応募しても、これでもかと応募しても✖✖✖
(ピアノばかり練習していた事で、ウェブサイトの作り方も何が何だか全く分からず、ウェブサイト作成の勉強もしなければいけないし、ワードでのチラシの作り方は幸いにも知っていたのでこれは〇、ボロボロの教会に仕事の面接に行った時も教会のある場所がかなり危険な所で怖いし、その帰り道もローカルの人達だけが行くであろう小さなバーを見かけても、バーのサインが点滅しているのかしてないのかチカチカしてかなり危険なにおいが。。。一体、バーの中で何が行われているんだろうか。。。ホラー映画の中に入ってしまったような気になってきます。)
それと同時に、猫Nちゃんの体調は目が離せません。薬は飲んでいても症状は良くならないし、安定もしない。嘔吐が激しく、下痢も酷い。2種類の薬の1つはかなり苦く、飲ませた直後に本人は泡を吹き始めるので、苦さを感じさせないように素早く口にシリンジで水を流し込む、そしてティッシュで即座に泡を吹いてあげて、あたかも何もなかったかのように。。。猫Nちゃんの心臓はバクバクでウロウロする、これを毎日続けます。酷い下痢をしようが、酷い嘔吐をしようが、私がうろたえてはいけない、平静を装い、何事もなかったかのように猫Nちゃんにお話をする。。。心配すぎて夜中1,2時間おきに起きてNちゃんを見守り続ける毎日。。。
病気の猫Nちゃんのお世話をしている私が本当に倒れそうです。大学院から続いている緊張のための不眠、全く眠れない、Nちゃんが心配すぎて眠れない、それでもなんです、私はどうでもいい、何としても、何としても猫Nちゃんには生きていて欲しい。。。
インディアナポリスの町はKFC、マクドナルド、ウォールマート、車販売店など芸術文化とはかなりかけ離れたところ。インディアナ大学の芸術文化にドップリ漬かっていた私には目に入るものは全て変。大学院が始まる時に玲子先生が何気に、’ここは現実とはかけ離れているから’と言っていたのを思い出します、これがその事か、何を見ても本当にウンザリ。これがここの現実なのか。。。
私は職なし、お金が少ししか無いのでお店に行けば最低も最低、健康とは全く言えない、ごみのような食料を買い、食べ続ける毎日。
季節は夏から秋に変わり冬が始まり。。。ずっと職を探し続け応募しても、何もなし。インディアナの冬はとても過酷です。ー25度もたまにあり、通常はー10度くらいでしょうか。全館空調とは言っても冬で室内は乾燥して皮膚はボロボロで痒い、ひどく痒い。クリームを塗っても、いくら塗っても痒い。加湿器を買うお金もない。’私は大丈夫!’と思っていても全身の皮膚をかきむしる毎日。
インディアナ州は夏以外、大雪が降り、アパートの敷地はどこも真っ白。雪の降り始めは’うわっ、雪だっ、綺麗!’と思っていても、それが毎日続くと’どこにも行けない、アパートから出られない、本当に閉ざされた。。。’と思い始めます。
ある大雪の日、ランドリーがアパートについていないので敷地内の遠くにあるランドリー機で洗濯をしようと外に出たら、もちろん真っ白。どこに溝があるのか、全く見えません。’そう言えば、このアパート、どこかに小さなCreekがあったような’、ですがそれも雪で全く見えない。寒いし、見えないし、余計イライラしてきます。とにかく雪の量が酷すぎて、公立の学校も、大学ももちろん閉まり、州から’外出禁止令’も出るくらいのところです。もう、そうなると家にいるしかない、洗濯さえも出来ない。。。。。。
アーカンソー州での車なし、自転車なし、バス電車なし、英語全くわからない、家族友達なし。完全に孤独。。。心理学での学位も極限のストレスのもと、やっと獲得、ピアノ演奏学位も獲得、独りでこれだけの我慢をしたのだから何かあっても何とかやってけるのでは?と思っていたのが大間違い。
病気の猫Nちゃん、仕事なし、やる事なし、アパートにひたすらいるだけの毎日、外界から完全に閉ざされる毎日。。。
毎日、毎日、雪は降り続け、何もやる事がない、猫Nちゃんの病気と闘い続ける、私には何もない、猫のNちゃんとCちゃんが一緒にいてくれるだけ。
インディアナポリスに引っ越しをしてから何一つ、良い事はありませんでした。全てがうまく行かずイライラの頂点も頂点です!!!(猫Nちゃんは重病で置いて外出も出来ないし、日本に帰ったところで自分のインディアナポリスでの状況は何も変わらないし、一時しのぎの行動は意味はありません。)
ある日、シャワーを浴びている最中になぜか涙があふれて大泣きをしました。’これだけ頑張っているのに、こんなに頑張っているのに!!!’
極度の怒りと今まで我慢していた事が爆発した瞬間でした。歯を食いしばっても、どんなに食いしばっても、いくら泣き叫んでも、希望も、何もない、本当にない、本当に何もない、私には何もない。。。
究極の絶望の中、ある日ある所の教会に行きました。’活発に活動しているよう。。。’心神喪失状態のようだけど、アーカンソー州から教会での仕事をしていたので、教会に行く事は普通の事。とにかく人のいる場所に行かないと。。。
ある日曜日にその教会に行きました。牧師さんに’私はインディアナ大学で勉強していたピアニストです。。。’と伝えると、’あー調度、教会ピアニストが辞めるところだから、そのポジションに興味はある?’と言われ、もちろん即答、’はい!!!!!!’
私はその教会での仕事に就けたと思いますか?まだまだDevastated areaでの過酷な状況は続きます。日本は今、1年の中で一番良い気候だと思います。🐱キャプテン、チーも’食欲の秋!’と沢山食べてくれるので嬉しいです🐱では次回のお話でお会いしましょう!See you next time and enjoy this cool weather !