ハプニングだらけ、成長をさせてくれたアメリカという国 vol.26

語学留学、大学、グリーンカード、ピアノ、仕事の20年(インディアナ大学編)

こんにちは。Ichikawa Piano Schoolの福山です。インディアナ大学大学院でのピアノ勉強もどんどん本格化していき周りの誰よりも10年は後れを取っている事を十分承知。。。

インディアナ大学大学院に入りたての頃には練習のしすぎで腱鞘炎にもなりました。ピアニストにはよくある話ですが、あんなにも痛いとは知りませんでした。幸いにも大学から出ている医療保険を使って手専門医に診てもらいMRIまで取ってもらい、結局はステロイドの注射を打つ羽目に。痛すぎてピアノを弾くどころではなかった指も注射1回打つだけで即座にピアノの練習を開始することが出来ました。でも医者からは’この注射は頻繁には打てないから気をつけてね’と忠告され、お会計は300ドルくらい?相変わらずアメリカの医療費は高いです。

そしてピアノを弾く時の姿勢。今では自分でピアノを弾く時の姿勢の矯正の仕方を知っていますが、玲子先生に姿勢について散々教えてもらっても全く感じられない、ピンと来ない、何を言っているか分からない、スッゴク鈍感な生徒でした。1日6,7時間はあたり前のように練習をしているとそのうち首や肩がガチガチになってきて全くほぐれなくなってきます。それでも練習をし続ける。ある生徒は授業中に椅子にも座れなくなり立ちながら授業に参加したり、学期の途中で自分の国に帰って治療を受けたり。ピアノという巨大な楽器を操る事はかなりの肉体労働なのです。インディアナ大学の音楽学部には早朝から無料のヨガ教室を開催していて、私はたまに顔を出したりしていました。本当はヨガをする時間さえも惜しくピアノの練習をしたいところですが先の事を考えて30分は無理矢理リラックスタイムです。

玲子先生にはピアノを弾く時の手の広げ方から、いすの座り方、姿勢、そして何より楽譜の見方、ピアノの音のきき方を徹底的に教えてもらいました。私が音楽の生徒として音を聞き分ける耳があるか、これとこれの違いを聞けてるか、どのように鍵盤を押したらどのような音が出るかなど、練習している曲を玲子先生の前で弾けば曲の始めから終わりまで、先生は楽譜に書いてある全ての事を知り尽くしていて、作曲家の書いてある事を少しでも私が理解をしていないと’全然ダメ、練習室で何をやってるの?’と最悪の言葉が出てきます。頭では分かってるような気がするけど実際に先生が言うようにピアノが弾けない。。。レッスン中は少しでも玲子先生の言葉を逃すまいと、曲の始めから終わりまでびっしりと先生のコメントで楽譜は埋め尽くされていきます。レッスン後に練習室に直行して練習するも何だか出来ているのか出来ていないのか。。。サッカーの練習で何も考えないでボールを蹴っているような、自分は玲子先生が言っている事を出来ているのか自分の練習に自信や確信が持てなく、ムダな事をしているような気になってきます。

そういう時は博士課程のピアノの生徒のリサイタルにも行ったりしていました。とても素晴らしく上手く弾いている生徒の演奏を見て、’あ~これが玲子先生が言っていた事なのか’とやっと小さな事のつじつまが合い、そして又練習室に戻って練習。バラバラに散らばっている情報が少しずつですが、形を作り始めている気がしつつも、まだまだです。

ある日、自分のアパートでYoutubeに日本のテレビ番組がある事を知り、とは言ってもその番組も4,5年も前のものなのですが、久々に日本語のテレビを見ました。ある時はバラエティだったり、ある時はビジネス経営者の話だったり、ある時はヴァイオリニスト五嶋みどりの話だったり。彼らの職種と私の今のやっている事には共通点はないのですが、ふとした時に耳にする日本語の単語、それがその時の私にとっては勇気を持たせてくれるものだったり、もっと精神力を強くしなければと考えさせられるものだったり。非常に難しい時間を過ごした経験のある人と共通するところが見えてきて、その人たちが言っていた重要な言葉を紙に書き、壁に貼っては毎日眺め、自分に言い聞かせ、ピアノ練習にも良い影響があるようにしていました。(ピアノの音ってその時の心情で変わるんですよね、なぜか)

玲子先生によって鈍感だった私の音楽のセンスが少しずつ磨かれていきますが、それにしても小さなことでも自分の中で変えるってすごく難しい事なんだと気付いていきます。自分が鈍感でフレキシブルでないのが嫌になります。でも私には素晴らしいお手本がありました。同じスタジオの博士課程の韓国人の友達でした。彼女は私なんかよりアメリカ在住は浅いのに英語はかなり話せて、ほとんど入学するのが不可能なくらいに難しいインディアナ大学の博士課程にいて、年に3回はフルのリサイタルをしていて、コツコツ淡々と勉強、そしてピアノは格段に素晴らしい。適応能力がとても高く、順応性があって、ひがむ事なく、いつもポジティブで、と泣き言文句ばかりを言っている私なんかとは正反対。見習うべきお手本そして友達がいて本当に良かったと思っています。

まだまだアメリカ生活も学校の事務での仕事も過酷な練習も勉強も続いていきます。真っ暗闇の中で手探り状態、出口を探していますがその手がかりさえも見つからない、でもそこに居続けなければいけない。。。大学院の勉強ピアノ練習もより本格化していきます。この話は次回にするとしても、やっとこの真間川沿いの🌸も咲き始めている?ようです。もっと咲いてくれないかなあ~。。。では次回のお話でお会いしましょう!Have a great week !